国松長官狙撃事件

2003年6月24日
国松長官狙撃事件は私は素人ながらオウムがやくざに頼んで殺そうとしたんだろうと考えていた。宮崎学氏の本(突破者の痛快裏調書)によるとさすが、というか詳しい分析がなされている。興味深いから少しばかり書いておこうと思う。
狙撃に使われた銃弾は銃頭をテフロン加工し、その先端部に切込みを入れた「ニクラッド弾」と呼ばれる特殊なもの。この銃弾は極めて特殊でテフロン加工をすることにより貫通力を上げ相手が防弾チョッキを着ていてもそれを突き抜けるように加工されたもの。しかし、一方で銃弾が貫通してしまってはダメージは少なくなってしまう。銃弾の威力を高めるためには体内に入った銃弾が体の中で不規則に動き回り内部組織をズタズタに切り裂くことで最大の効果を上げる。そのために銃頭をテフロン加工し、その先端部に切込みを入れたことで防弾チョッキをまず貫通させてその衝撃で銃弾のスピードが弱まり身体に入ったときに銃頭が潰れるという恐るべき銃弾だったのである。この弾はアメリカでは「警官殺し」の異名さえ持っている代物だそうだ。長官は幸い防弾チョッキを着ていなかったため弾は本来の役割を果たさずに銃弾は貫通してしまった。しかも、長官は骨に弾が当たらなかったということも幸いした。宮崎氏は使われた銃も指摘する。回収された銃丸に刻まれていた線条痕は左回りだったようだ。左回りのライフリングを持つものは世界では珍しいようだ。99%は右回りだからだ。左回りのものはアメリカのメーカー、コルト社のものとそのコピーであるフィリピン製の銃のみ。民間の目撃者からは銃身が長かったという証言もある。また、使われた弾は357マグナム。また現場には薬莢が落ちていなかった事と犯人が立て続けに4発発射していることを考えるとダブルアクションリボルバーの可能性が極めて高い。宮崎氏は総合的に考えてコルトパイソン以外にはありえないと断言する。そしてオウムの雇った狙撃手についても言及している。犯人は20メートル離れたい位置から発射して少なくとも3発命中させた。撃った4発もほぼ続けざまだった。これは実は相当に腕のいい狙撃手だという。コルトパイソンを使い慣れており「ニグラット弾」を使用。日本にはこれだけのプロはいないと言う。警官や自衛隊、やくざでさえも。宮崎氏は元ソ連兵のロシアンマフィアではないかと予想する。事実、軍で特殊な訓練を受けたスペツナズ崩れがいまやマフィアとして地下社会に流れ込んでいる。先のチェチェン・マフィア抗争の際コルトパイソンが武器として大量に使われたようだ。オウムは実際にロシアに頻繁に行っており繋がりはあった。ちなみに費用の相場は500万円だそうである。

ちなみにこの本でグリコ森永事件の真犯人を宮崎氏は分かったと言っている。もちろん読者には解らない様にしてあるが。やっぱり分かっていたんだな、と思った。

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