裁判傍聴記録8月12日
2003年8月12日某地方裁判所、高等裁判所に行く。受付で「今日の裁判はどのくらい行われますか?」
と聞くと「今は夏休み中だからねー。少ないよー。」との答え。少し残念。
掲示されている今日の裁判の行われる場所の確認。7階13号法廷では地裁の刑事裁判。
8階1号法廷では高裁の刑事裁判。他に民事もあるが朝の時点では民事を傍聴つもりはなかった
ので無視。罪名を見ると「殺人」の文字がない。やはり人間とは非道なものなのか、殺人事件の
裁判を傍聴したいと思ってしまう。ひとまず地裁と高裁の刑事事件から適当に選ぶ。
7階13号法廷では裁判長は遠藤裁判長。この人物はさきの恵庭OL殺人事件で16年の有罪判決を
出したちょっとした変わり者の裁判長だ。遠藤氏を生で見られるのは初めてなので楽しみでもある。
7階に着いたのは裁判が始まる30分ほど前。エレベーターがあいた瞬間正面の椅子に2人の人物が
こちらを向く。1人は男性20台後半でスーツ姿。もう一人はその男性の母と思しき中年の女性。
7階についてその階を一回りしてみる。2人を除いてまだ誰も着ていない。私は2人を見渡せる場所の椅子に座った。こんなに早く来ていて変だな、と思いつつ2人を観察する。2人は相当に落ち着かない様子だ。
男性は下を見たまま手を顔に当てている。女性は目を閉じ何か祈るような佇まいだ。先ほど記録してきた
メモを見る。被告人佐藤○○。罪名は業務上過失致死。今日が判決。そこで、もしかしたら・・・という感じが
した。座っている男性が被告人?いやまさか・・・。という両方の思いが交錯しつつ2人を観察し続けた。
業務上過失致死ならば人を殺していることになる。人を殺した人を生で見るのも初めてだ。裁判は9時55分。その時間が迫るにつれ人が増えてきた。当然その中に遺族がいるはずだ。じっと観察してみた。しかし、見分けがつかない。ただ、一人車椅子の男性が居た。9時50分入廷できるようになったので席最前列に確保した。人の入りはかなり入っている。といっても地裁の傍聴席は少ないな、という印象。28席くらいだったと思う。左右端に4席で前後に2列中央は確か6席だったと思う(ここはあいまい。違うかもしれない)で2列。9時55分に被告人が入廷してきた。先の男性だった。母親は傍聴席前列右端に座った。裁判長が入廷。出席、礼。すぐさま判決の言い渡し。「主文。被告人を禁錮1年に処する・・・・」判決理由を聞くと事件の概要が判ってくる。男性は母親の家に向かって車を走らせていた。その途中路上駐車していた車に激突。路上駐車していた車内の人間一人を死なせたというものだった。ちなみに業務上過失致死といっても業務とは仕事の意味ではなく、社会生活上継続反復して行う行為であって人を死傷させる危険を含むものをさしている。そのためタクシー運転手が人を轢いても普通に車を運転する人が人を引いても業務上過失致死となる。判決を聞くと被告人は普段から運転が荒かった様だが外見では好青年に見える。人は見た目では判らないものだと考えた。保険に入っているから金銭的にはどうなんだろうか、と思いながらも裁判は終了。確か、保険の都合では人を轢いて植物状態にすると保険に入っていても金銭的に大変だ、一方でそのくらいなら死なせた方が保険に入っていると金銭的には少しはましだ、という事を聞いたことはある。まあ、暴論ではあるが保険会社の言い分だからそれが実情なんだろう。
と聞くと「今は夏休み中だからねー。少ないよー。」との答え。少し残念。
掲示されている今日の裁判の行われる場所の確認。7階13号法廷では地裁の刑事裁判。
8階1号法廷では高裁の刑事裁判。他に民事もあるが朝の時点では民事を傍聴つもりはなかった
ので無視。罪名を見ると「殺人」の文字がない。やはり人間とは非道なものなのか、殺人事件の
裁判を傍聴したいと思ってしまう。ひとまず地裁と高裁の刑事事件から適当に選ぶ。
7階13号法廷では裁判長は遠藤裁判長。この人物はさきの恵庭OL殺人事件で16年の有罪判決を
出したちょっとした変わり者の裁判長だ。遠藤氏を生で見られるのは初めてなので楽しみでもある。
7階に着いたのは裁判が始まる30分ほど前。エレベーターがあいた瞬間正面の椅子に2人の人物が
こちらを向く。1人は男性20台後半でスーツ姿。もう一人はその男性の母と思しき中年の女性。
7階についてその階を一回りしてみる。2人を除いてまだ誰も着ていない。私は2人を見渡せる場所の椅子に座った。こんなに早く来ていて変だな、と思いつつ2人を観察する。2人は相当に落ち着かない様子だ。
男性は下を見たまま手を顔に当てている。女性は目を閉じ何か祈るような佇まいだ。先ほど記録してきた
メモを見る。被告人佐藤○○。罪名は業務上過失致死。今日が判決。そこで、もしかしたら・・・という感じが
した。座っている男性が被告人?いやまさか・・・。という両方の思いが交錯しつつ2人を観察し続けた。
業務上過失致死ならば人を殺していることになる。人を殺した人を生で見るのも初めてだ。裁判は9時55分。その時間が迫るにつれ人が増えてきた。当然その中に遺族がいるはずだ。じっと観察してみた。しかし、見分けがつかない。ただ、一人車椅子の男性が居た。9時50分入廷できるようになったので席最前列に確保した。人の入りはかなり入っている。といっても地裁の傍聴席は少ないな、という印象。28席くらいだったと思う。左右端に4席で前後に2列中央は確か6席だったと思う(ここはあいまい。違うかもしれない)で2列。9時55分に被告人が入廷してきた。先の男性だった。母親は傍聴席前列右端に座った。裁判長が入廷。出席、礼。すぐさま判決の言い渡し。「主文。被告人を禁錮1年に処する・・・・」判決理由を聞くと事件の概要が判ってくる。男性は母親の家に向かって車を走らせていた。その途中路上駐車していた車に激突。路上駐車していた車内の人間一人を死なせたというものだった。ちなみに業務上過失致死といっても業務とは仕事の意味ではなく、社会生活上継続反復して行う行為であって人を死傷させる危険を含むものをさしている。そのためタクシー運転手が人を轢いても普通に車を運転する人が人を引いても業務上過失致死となる。判決を聞くと被告人は普段から運転が荒かった様だが外見では好青年に見える。人は見た目では判らないものだと考えた。保険に入っているから金銭的にはどうなんだろうか、と思いながらも裁判は終了。確か、保険の都合では人を轢いて植物状態にすると保険に入っていても金銭的に大変だ、一方でそのくらいなら死なせた方が保険に入っていると金銭的には少しはましだ、という事を聞いたことはある。まあ、暴論ではあるが保険会社の言い分だからそれが実情なんだろう。
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